夕暮れのキャンプサイトとテント内の寝床
夕暮れのキャンプサイトとテント内の寝床
  • マットを敷けば、地面の状態によらず寝心地よく過ごせる
  • キャンプ用マットは「銀マット」「エアマット」「インフレータブルマット」の3タイプに分かれる
  • 断熱性能を表す「R値」の数値が高いほど、地面からの冷気を防ぎやすい

スリーピングマットは、シュラフ(寝袋)の下に敷くマットレスのようなアイテムです。

軽視されがちですが、これがあるかないかで快適なキャンプになるかどうかが大きく変わります。地面からの冷気や凹凸を緩和し、ぐっすり眠れるように助けてくれる、地味だけど重要な道具です。

マットには3つのタイプがある

キャンプ用のスリーピングマットは、大きく分けて3タイプあります。

銀マット(クローズドセルフォームマット) は、発泡ポリエチレンなどの素材に、片面が銀のアルミ蒸着になっているのが定番です。空気を入れる必要がなく、広げるだけですぐ使えます。パンクの心配が一切ないのが最大の強みで、価格も手頃。ただし厚みは1〜2cm程度と薄く、地面の凹凸をダイレクトに感じやすいのが弱点です。

サーマレスト Zライトソルをテント内に敷いた様子
サーマレスト Zライトソルをテント内に敷いた様子

▼ 銀マット・クローズドセルフォームの定番

エアマット は、空気を入れて膨らませるタイプです。厚みは5〜10cmとふかふかで、3タイプの中でもっとも寝心地が良いとされています。空気を抜けばコンパクトに収納できるのも魅力です。一方で、空気だけで体を支える構造上、小石や尖った枝でパンクするリスクがあり、地面の下処理(石や枝の除去)を怠ると穴が開いてしまうことがあります。

DOD ソトネノサソイをテント内に広げた様子
DOD ソトネノサソイをテント内に広げた様子

▼ エアマットで寝心地を優先するなら

インフレータブルマット(セルフインフレーティングマット) は、内部にウレタンフォームが入っていて、バルブを開けると自動的に空気を吸い込んで膨らむ仕組みです。フォームが断熱性とクッション性を両方支えてくれるため、銀マットより快適で、エアマットよりパンクに強いという、ちょうど中間の性質を持っています。厚みは3〜5cmが主流で、3タイプの中ではもっとも重量があります。

NEMO テンサー トレイルをテント内に設置した様子
NEMO テンサー トレイルをテント内に設置した様子

▼ インフレータブルで手軽さと快適性を両立

初心者はどれを選ぶべき?

キャンプ専門メディアの見解は分かれています。「価格が手頃でパンクの心配がない銀マットを最初の1枚に」という意見もあれば、「設営が簡単で寝心地も良いインフレータブルマットが初心者向き」という意見もあります。

はっきりしているのは、「予算を抑えてまず試したいなら銀マット」「多少予算をかけてでも寝心地の良さを優先したいならインフレータブルマット」という住み分けです。エアマットは、その中間から上級者まで幅広く使われていますが、パンクのリスクを理解した上で選ぶ道具だと考えておきましょう。

オートキャンプ場のように、車で荷物をそのまま運べる環境であれば、収納サイズの大きさはそれほど気にする必要はありません。まずは自分の予算と「何を優先したいか」で選んでみてください。

見落としがちな2つの落とし穴

マット選びで初心者が失敗しやすいのが、次の2点です。

1. R値(断熱性能)を見落とす

R値は「マットがどれだけ熱を逃がしにくいか」を示す断熱性能の指標で、数値が高いほど地面からの冷気を防ぎやすくなります。目安は、R値1〜2が真夏向け、2〜4が春〜秋の3シーズン向け、4〜6が初冬・残雪期向け、6以上が厳冬期向けです。「マットは体を温める道具ではなく、地面への熱の流出を防ぐ道具」という点を理解せずに薄手のものを選んでしまうと、夏以外のキャンプで底冷えに悩まされることになります。なお、複数枚のマットを重ねるとR値は足し算できるので、銀マットの上にエアマットを重ねるといった組み合わせも有効です。

2. サイズが体に合っていない

軽量化や収納サイズを優先して、身長より短いマットを選んでしまうケースがよくあります。足元や肩がマットからはみ出すと、寝心地が悪化するだけでなく、地面からの冷えを直接受ける原因にもなります。自分の身長に対して余裕のあるサイズを選びましょう。

まとめ:予算と快適性のバランスで選ぼう

キャンプを始めたばかりなら、まずは価格が手頃でパンクの心配もない銀マットから試してみるのがおすすめです。実際に使ってみて「もっと寝心地を良くしたい」「底冷えが気になる」と感じたタイミングで、インフレータブルマットやエアマットへのステップアップを検討すると失敗が少なくなります。

シュラフ(寝袋)と組み合わせることで、断熱・保温の効果はさらに発揮されます。まだシュラフを選んでいない人は、1-5.シュラフの選び方もあわせてチェックしてみてください。


次は、キャンプの快適性をさらに高める「テーブル・チェア」の選び方を紹介します。(1-7. テーブル、チェアの選び方