
キャンプの快適性は、実はテント選びよりも「テーブル・チェア」で決まると言っても過言ではありません。座り心地の悪い椅子で長時間過ごしたり、高さの合わないテーブルで食事をしたりすると、それだけでキャンプの満足度は大きく下がってしまいます。
一方で、テーブル・チェアは種類が非常に多く、「ロールトップ」「アルミロー」「IGT」「ハイチェア」「ローチェア」など専門用語も多いため、初心者にとっては選びにくいジャンルでもあります。この記事では、タイプ別の特徴から素材の違い、初心者が失敗しやすいポイント、よくある疑問まで、体系的に解説します。
テーブルの3つの主要タイプ
キャンプ用テーブルは、大きく分けて3タイプあります。
ロールトップテーブル は、天板が竹や木のスノコ状になっていて、丸めて収納できるのが特徴です。収納時は縦長のコンパクトな形になるため、車の隙間に立てて積み込みやすいのがメリット。ただし、脚を組み立てて天板を広げる手間が他のタイプよりやや多く、設営に少し時間がかかります。
アルミローテーブル は、木目調の天板とアルミフレームを組み合わせたモデルが主流です。軽量で持ち運びやすく、価格も手頃なため、キャンプ用テーブルの入門機として最も選ばれているタイプです。焚き火のそばに置いても熱に強く、汚れても水拭きできるのも扱いやすいポイントです。
IGTシステム は、スノーピークが生み出した「Iron Grill Table」の略称で、標準化されたフレームにバーナー・天板・シンクなどのユニットを自由に組み合わせられる拡張型のシステムです。1ユニットのサイズは縦360×横250mmで規格化されており、他メーカーの互換パーツを含めて自在にカスタムできます。人数やシーンに応じてレイアウトを組み替えられる拡張性の高さが最大の魅力ですが、パーツをそろえるほど費用がかさみやすい点は理解しておきましょう。

▼ ローテーブルの定番
- コールマン コンパクトアルミテーブル ― 軽量アルミ製、収納ケース付きで持ち運びやすい
チェアの2つの主要タイプ
チェア選びで最初に意識すべきは「座面の高さ」です。
ローチェア(座面高20〜40cm程度) は、焚き火や低いテーブルとの相性が良く、軽量・コンパクトで持ち運びやすいのが特徴です。地面に近い姿勢でゆったりくつろげる一方、立ち座りの際に膝や腰へ負担がかかりやすいというデメリットもあります。
ハイチェア(座面高40cm以上) は、腰への負担が少なく、立食スタイルのBBQや、頻繁に立ち座りする場面、年配の方との利用に向いています。テーブルとの高さのバランスが取りやすいのも特徴です。
選定の鉄則は「テーブルの高さとチェアの高さを揃えること」。目安として、テーブルの天板よりチェアの座面が10〜20cm低いと、自然な姿勢で使いやすくなります。

▼ ローチェアの定番
- ヘリノックス チェアワン ― 軽量・コンパクトで座り心地の良さに定評
ハイスタイルという選択肢
ロースタイル(ローテーブル+ローチェア)が定番ではありますが、家族連れやグループキャンプ、料理・食事が中心のスタイルには「ハイスタイル(ハイテーブル+ハイチェア)」が向いています。
ハイスタイルの魅力は、椅子からの立ち座りが楽なこと、そして食事の準備や後片付けが腰をかがめずにできることです。テーブルの高さが調整できるモデルを選べば、シーンに応じてロー・ハイを使い分けることもできます。

▼ ハイスタイル対応テーブル
- コールマン フォールディングリビングテーブル90 ― 高さ2段階調整でロー・ハイどちらにも対応

▼ ハイスタイル対応チェア
- コールマン ヒーリングチェアNX HB ― ハイバックで腰への負担が少なく快適
初心者はロースタイルとハイスタイル、どちらを選ぶべき?
複数の専門メディアで共通して言われているのは、「何を楽しみたいか」「立ち座りの頻度」で選ぶという考え方です。
- ソロ・少人数、焚き火中心のスタイル → ロースタイルが軽量・低価格・設営簡単で「最初の1台」として選ばれやすい
- 家族・グループで食事や料理が中心、立ち座りが多いスタイル → ハイスタイルが推奨されやすい
どちらが優れているというものではなく、自分のキャンプスタイルに合わせて選ぶのが失敗しないコツです。
素材別の特徴(アルミ・スチール・ウッド・樹脂)
テーブル・チェアの素材によって、耐久性や使い勝手は大きく変わります。
- アルミ製:錆びにくくカビにくい。熱に強く、焚き火のそばでも変形しにくいため、熱い鍋を直置きできるのも利点。軽量で大型サイズでも持ち運びやすく、オールラウンドに人気があります。
- スチール製:カビの心配はありませんが、濡れると錆びる可能性があります。金属製なので熱には強く、焚き火の近くでも使用可能。アルミよりやや重い傾向があります。
- ウッド(木製)製:錆びの心配はありませんが、乾燥が不十分だとカビが発生しやすい素材です。熱に弱いため焚き火の近くでの使用は避けましょう。使い込むほど味わいが増す点が最大の魅力で、見た目のコーディネートでも人気があります。
- 樹脂製:カビ・錆びともに発生しにくく、メンテナンスが楽な素材です。ただし熱に弱く、焚き火の近くでは使えません。軽量・安価なため、入門用として選ばれることが多い素材です。
焚き火を頻繁に楽しみたい人は、アルミやスチールなど熱に強い素材を選ぶのがおすすめです。
見落としがちな2つの落とし穴
1. サイズ選びの失敗
テーブルのサイズは、人数に対して余裕を持たせるのが基本です。目安として、ソロなら幅30〜60cm、2人用なら70〜90cm、4人用なら120〜140cm、6人用なら140〜170cm程度を選ぶと快適に使えます。チェアを並べたときの横幅から逆算して選ぶのがコツです。
2. 耐荷重の見落とし
チェアの耐荷重は、自分の体重に対して10〜20%程度の余裕を見て選びましょう。体重70〜90kg程度の方であれば、耐荷重100〜150kgのモデルを目安にすると安心です。数値ギリギリのモデルを選ぶと、経年劣化とともに座り心地が悪化したり、破損のリスクが高まったりします。
よくある質問
Q. キャンプテーブルは何人用のサイズを選べばいい?
A. 目安はソロ幅30〜60cm、2人用70〜90cm、4人用120〜140cm、6人用140〜170cmです。実際にチェアを並べたときの横幅で逆算して選ぶと失敗しにくくなります。詳しくは本文の「サイズ選びの失敗」で解説しています。
Q. 子供連れのキャンプでは専用チェアが必要?何歳から使える?
A. 4歳頃までは座面が低く安定感のある、ベルト付きの専用チェアが安心です(生後6ヶ月〜対応のモデルもあります)。4歳以降は座面が高すぎず、立ち座りしやすい軽量チェアが向いています。大人用チェアは座面が高すぎたり奥行きが深すぎたりして、小さな子供には不安定になりがちです。
Q. キャンプチェアの耐荷重はどう選べばいい?
A. 体重に対して10〜20%増しを目安に選びましょう。体重70〜90kg程度なら、耐荷重100〜150kgのモデルを選ぶと安心です。詳しくは本文の「耐荷重の見落とし」をご覧ください。
Q. テーブル・チェアの耐久年数はどれくらい?買い替えのサインは?
A. 明確な年数の目安はありませんが、使用頻度が高い場合は5年程度で破損するケースもあります。プラスチック製の接続部や座面の縫製が劣化の起点になりやすく、座り心地の悪化や接続部のガタつきが買い替えのサインです。
Q. お手入れ(メンテナンス)方法は?
A. 天板・脚は水拭きか中性洗剤で汚れを落とし、ヒンジ部分は念入りに拭き取りましょう。乾いたタオルで水気を取り、風通しの良い場所で完全に乾燥させます(木製は特にカビ・腐食に注意)。可動部には潤滑油を少量差すと長持ちします。年数回の利用なら年1回、頻繁に使う場合は2〜3ヶ月に1回のメンテナンスが目安です。
Q. 100均やホームセンターのアイテムで代用できる?
A. サイドテーブルやレジャーテーブルなど、安価な代用品も存在し、軽装備やお試し用途では選択肢になります。ただし、耐荷重や耐熱性の面で専用品には劣るため、本格的に使うなら専用アイテムがおすすめです。
Q. テーブルとチェアは同じブランド・セットで揃えるべき?
A. 天板の裏にチェアを格納できる「オールインワン収納」タイプのセットは、荷物をコンパクトにまとめられるのが利点です。デザインも統一されており、単品で買うより割安になることもあります。ただし収納性を優先している分、座り心地はやや犠牲になる傾向があります。
Q. テーブルの素材によって焚き火の近くで使えるかどうかは変わる?
A. 変わります。アルミ・スチールは熱に強く焚き火のそばでも使いやすいですが、木製・樹脂製は熱に弱いため、焚き火の近くでの使用は避けましょう。特に樹脂製は熱で変形するリスクが高い素材です。詳しくは本文の「素材別の特徴」で解説しています。
まとめ:スタイルに合わせて高さと素材を選ぼう
テーブル・チェア選びは、「ロースタイルかハイスタイルか」「どんな素材が自分のキャンプスタイルに合うか」を軸に考えると迷いにくくなります。焚き火中心のソロキャンプならロースタイル+アルミ素材、家族での食事中心ならハイスタイルが快適です。
最初の1台であれば、価格が手頃で扱いやすいアルミローテーブルとローチェアの組み合わせから始めてみるのがおすすめです。慣れてきたら、IGTシステムやハイスタイルへのステップアップを検討してみてください。
まだスリーピングマットを選んでいない人は、1-6.スリーピングマットの選び方もあわせてチェックしてみてください。
次は、暗くなってからのキャンプサイトを彩る「ランタン」の選び方を紹介します。(1-8. ランタンの選び方)







