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あかり
キャンプ飯って凝った料理が必要そうで、準備が難しそうに感じます。わたしにもできますか?
しんたろー
頑張りすぎないことが成功の秘訣だ。まずは市販のレトルトや焼くだけの食材から始めればいい。
ダオン
じゃあ炭火で焼く豪快なバーベキューはしなくていいの?
しんたろー
初心者のうちは炭の処理が重い負担になる。まずはスイッチ一つで火がつくガスバーナーで十分だ。
キャンプ飯が『難しそう』の正体
キャンプを始めようとしたとき、初心者代表のあかりのように「料理が一番ハードルが高い」と感じる方は少なくありません。テレビやSNSで見かけるキャンプ飯といえば、大きなグリルで分厚いお肉を焼いたり、ダッチオーブンで何時間も煮込んだりする、豪華なバーベキューのイメージが強いからです。しかし、しかし、これから始めるソロキャンパーにとって、それらのスタイルは道具が多く荷物も重くなりすぎて、最初の一歩としては現実的ではありません。
キャンプ飯が難しそうに思える正体は、「炭火を使わなければいけない」「何品も作らなければいけない」という思い込みにあります。炭火は着火するまでに30分以上かかることもあり、火加減の調整も難しく、終わった後の灰の処理や重いグリルの持ち帰りなど、初心者には負担が大きすぎます。特に車でも電車でも、数キロの炭を持ち運んで運搬・保管するだけで負担になってしまいます。

編集長のしんたろーがお伝えしたいのは、キャンプ飯はもっと手軽でいいということです。実は、家庭用のカセットコンロと同じ仕組みの小さなガスバーナーが1つあれば、大抵の料理は作れます。ガスならスイッチをひねるだけで1秒で火がつき、火力調整も思いのままです。
また、大自然の中で食べるご飯は、それだけで特別なスパイスになります。凝ったフルコースを作る必要はなく、スーパーで買ったお肉を焼くだけ、あるいは市販のレトルトカレーを温めるだけでも、家で食べるよりずっと美味しく感じられるものです。最初は「頑張りすぎないこと」が、キャンプ飯を失敗せず安全に楽しむための最大の秘訣です。まずは火の扱いに慣れることを目標に、一番簡単な方法から始めてみましょう。
5章の目次(この章で作れる料理一覧)
この章の基本を押さえたら、次のような手軽なメニューに挑戦できます。詳しいレシピや手順は、各記事をご覧ください。
ソロで運べる最小の調理道具
あかり
荷物はできるだけ軽くしたいので、重い調理器具は持ちたくありません。リュックに収まる最小限の道具は何ですか?
しんたろー
小さなガスバーナーと、スタッキングできるクッカーセットが一つあればほとんどの料理が作れる。
ダオン
そもそも家庭用のフライパンじゃダメなの?
しんたろー
家庭用は取っ手が外れず持ち運びに適さない。キャンプ専用品は重ねて収納でき、車でも電車でも持ち運びで嵩張らない。
キャンプに道具を持って行く場合、リュックに収まるサイズと軽さが道具選びの基準になります。家庭用の大きな鍋やフライパンはかさばるため、キャンプ専用のコンパクトな道具を少しだけ揃えるのがおすすめです。ここでは、熱源(火を起こす道具)とクッカー(鍋やフライパンの総称)の選び方を解説します。
まずは熱源の燃料についてです。キャンプ用のガスバーナーには、大きく分けて2種類のガス缶があります。この燃料の軸で比較してみましょう。

CB缶(カセットボンベ缶)は、家庭のカセットコンロで使うあの細長いガス缶です。スーパーやコンビニで1本100円台から買えるため、初心者にとって現地調達しやすいのが最大のメリットです。一方、OD缶(アウトドア缶)は丸っこい形で寒さに強いですが、アウトドア専門店やホームセンターに行かないと買えないことが多く、価格も少し高めです。初心者の最初の1台には、燃料代が安く入手しやすいCB缶対応のバーナーをおすすめします。パッケージに「kW」や「kcal」といった火力の数値が書いてありますが、でも安心して。ソロ用のバーナーならどれを選んでも1人分の調理には十分な火力があります。自分で細かく比べる必要はありません。
カセットガスが使えるシングルバーナー
案内役のダオンの推しは、折りたたむと手のひらサイズになるコンパクトなバーナーです。リュックの隙間にすっぽり収まり、重さも約350gと軽量。これ1つあれば、お湯を沸かすのもお肉を焼くのもこなせます。
▼ 主要どころを比べるなら
- SOTO レギュレーターストーブ モノトーンモデル ST-310MT ― 約7千円(Amazon、楽天)
- イワタニ カセットガス ジュニアコンパクトバーナー CB-JCB ― 約4千円(Amazon、楽天)
- FORE WINDS マイクロ・キャンプ・ストーブ FW-MS01 ― 約8千円(Amazon、楽天)
次に、食材を調理するためのクッカー(鍋)です。クッカーには様々な形がありますが、今回は形状の軸で比較します。
| 写真 | タイプ | 特徴 | 初心者度 |
|---|---|---|---|
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箱型(メスティン) | 炊飯から炒め物まで万能・四角く収納しやすい | ◎最有力 |
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深型(縦長) | 麺類やスープが得意・中にガス缶が入る | ○用途次第 |
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浅型(フライパン型) | 焼く炒めるが得意・お皿として使いやすい | △2台目 |

初心者に圧倒的な人気があるのが「メスティン」と呼ばれる箱型のクッカーです。元々はご飯を炊くための飯ごうですが、アルミ製で熱伝導が良く、焼く・煮る・蒸すといったあらゆる調理に対応できます。また、四角い形をしているため、リュックの中でデッドスペースを作らず、中に調味料やカトラリーを収納して持ち運べる点も優秀です。
万能クッカーのメスティン
メスティンは各社から発売されていますが、サイズは1.5合〜2合炊きの標準サイズ(レギュラーサイズ)を選ぶと、1人分の食事作りにちょうど良い大きさです。これ1つと先ほどのバーナーがあれば、ソロキャンプの調理道具としては十分機能します。
▼ 主要どころを比べるなら
- trangia メスティン TR-210 ― 約1千円(Amazon、楽天)
- キャプテンスタッグ 飯盒 メスティン アルミ角型クッカー 1合 目盛付き UH-4113 ― 約1千円(Amazon、楽天)
- BUNDOK(バンドック) シェラカップ BD-581 ― 約900円(Amazon、楽天)
献立を決める3つの順番(火・洗い物・時間)
あかり
献立を考えるとき、何から決めるのが正解でしょうか。失敗しない順番を教えてください。
しんたろー
火の扱い、洗い物の量、調理時間の3つを考慮しろ。特に洗い物が少ないメニューを選ぶのが鉄則だ。
ダオン
でもそれだとレパートリーが偏らない?
しんたろー
最初は偏ってもいい。火の扱いに慣れるまでは、一品で完結する丼ものや麺類から始めるのが安全だ。
道具が揃ったら、次は何を作るか(献立)を考えます。自宅のキッチンのようにコンロが2つも3つもあるわけではないので、キャンプならではの段取りが必要です。献立は「火・洗い物・時間」の3つの順番で考えると、現地で慌てずに済みます。

1つ目は「火(熱源)」の制限です。ソロキャンプでは持っていくバーナーは基本的に1つです。つまり、同時進行で2つの温かい料理を作ることができません。「ご飯を炊きながら、隣でお肉を焼く」といったことができないため、献立は「1品で完結するもの」か「冷めても美味しいもの」を組み合わせるのが基本です。例えば、メスティンでご飯と具材を一緒に炊き込む「炊き込みご飯」なら、火口が1つでも立派な食事が完成します。
2つ目は「洗い物」の少なさです。キャンプ場の炊事場は、お湯が出ない場所も多くあります。冷たい水で豚肉や牛肉の白い脂汚れを落とすのは非常に困難です。そのため、油を大量に使う揚げ物や、ギトギトに汚れる煮込み料理は、最初のうちは避けたほうが無難です。拭き取るだけで綺麗になるような、油分の少ないメニューを選ぶのが賢い選択です。
3つ目は「時間」の管理です。キャンプ場は街灯が少なく、日が沈むと手元がほとんど見えなくなります。暗闇の中で包丁を使ったり、お肉の焼け具合を確認したりするのは怪我や食中毒のリスクを高めます。そのため、調理時間が短く済むものを選ぶことが大切です。特に便利なのが、スーパーやコンビニで買える冷凍食品です。冷凍の炒飯やうどんは、温めるだけであっという間に完成しますし、クーラーバッグに入れておけば、他の食材を冷やす保冷剤の代わりにもなり、荷物を減らすことにも繋がります。
洗い物を減らす格安な段取りのコツ
キャンプ飯を快適に楽しむためには、現地での作業をいかに減らすかが鍵となります。特に「洗い物」と「ゴミ」を減らす工夫は、撤収時の負担を劇的に軽くしてくれます。専用の便利グッズを買わなくても、家にある日用品で十分に対応できます。

もっとも効果的な段取りは、「下ごしらえを自宅で済ませておくこと」です。野菜は家で洗って一口大にカットし、お肉はタレと一緒にジップロックなどの密閉袋に入れて揉み込んでおきます。こうすることで、現地にまな板や包丁を持っていく必要がなくなり、荷物が軽くなります。さらに、野菜のヘタや皮、お肉のトレイといった生ゴミがキャンプ場で出ないため、ゴミを持ち帰る際の嫌なニオイや汁漏れの心配もなくなります。
調理中にも洗い物を減らすコツがあります。それは「アルミホイル」や「クッキングシート」の活用です。フライパンやメスティンの内側にアルミホイルを敷いてからお肉を焼けば、焦げ付きや油汚れが直接鍋につきません。食べ終わった後は、汚れたホイルを丸めて捨てるだけで済むため、洗剤を使ってゴシゴシ洗う手間が省けます。
もしクッカーが汚れてしまった場合でも、すぐに水場へ行くのではなく、まずはウェットティッシュやキッチンペーパーで汚れをしっかり拭き取りましょう。汚れの8割を拭き取ってから軽く水洗いするのが、キャンプでの洗い物の基本ルールです。これなら、お湯が出ないキャンプ場でも簡単に綺麗にすることができます。
一人分で作りすぎない量の目安
あかり
キャンプ場で洗い物を減らすための段取りに悩んでいます。何かいいコツはありますか?
しんたろー
下準備を家で済ませてくることだ。野菜をカットし袋に入れておけば、現地では焼くだけで済む。
ダオン
もし袋から汁が漏れたらどうするの?
しんたろー
ジップ付きの密閉袋を二重にするだけでリスクは減る。ゴミも減り、現地での作業時間も短縮できるぞ。
ソロキャンプの買い出しで初心者が最も陥りやすい失敗が、「食材の買いすぎ」です。スーパーに行くと、ファミリー向けの大きなお肉のパックや、大容量の野菜が特売になっており、ついテンションが上がって買いすぎてしまいます。しかし、初心者にとって、余った食材は大きな悩みの種になります。

食べきれなかった食材を持ち帰るのは荷物が重くなるだけでなく、夏場はクーラーボックスの保冷力が落ちて食中毒を引き起こすリスクがあります。また、キャンプ場にゴミとして捨てていくことはマナー違反であり、野生動物を呼び寄せる原因にもなります。「少し足りないかな?」と思うくらいの量が、ソロキャンプではちょうど良いのです。

具体的な量の目安を知っておきましょう。成人1人が1食で食べるお肉の量は、一般的に200g〜300g程度です。スーパーで売られている小さめのパック1つ分と考えればわかりやすいでしょう。ご飯を炊く場合、メスティンで炊くお米の量は0.5合〜1合が目安です。1合はお茶碗約2杯分になるため、お肉や他のおかずがある場合は0.5合でも十分にお腹いっぱいになります。
野菜も丸ごと1個買うのではなく、カット野菜のパックを1つ買うか、自宅の冷蔵庫にある余り野菜を少しだけ刻んで持っていくのが賢明です。もしどうしてもお腹が空いたときのために、常温で保存できて軽く、お湯を注ぐだけで食べられるカップ麺やインスタントスープを「保険」としてリュックに忍ばせておくと安心です。
よくある質問(Q&A)
Q. 調味料はどうやって持っていくのがいいですか?
家にある大きなボトルごと持っていくと重くてかさばります。100円ショップで売っている小さなお弁当用のタレビンや、小さなチャック付きポリ袋に必要な分だけ移し替えて持っていくのが、荷物を軽くするコツです。
Q. 余った食材はどうすればいいですか?
生肉や魚など傷みやすいものは、食中毒のリスクがあるため持ち帰らずに処分するか、完全に火を通してから持ち帰るのが安全です。未開封のレトルト食品やスナック菓子など、常温保存できるものはそのまま持ち帰って家で食べましょう。
Q. まな板と包丁は持っていったほうがいいですか?
自宅で食材をカットしてジップロックに入れていけば、基本的には不要です。もし現地で少し切りたい場合は、牛乳パックを開いて洗ったものをまな板代わりにし、100円ショップの果物ナイフや調理用ハサミを使うと軽くて便利です。
Q. ご飯を焦がさずに炊くコツはありますか?
メスティンでご飯を炊くときは、事前にお米を30分ほど水に浸しておくことが重要です。火にかける時は弱火をキープし、チリチリという音がして香ばしい匂いがしてきたら火から下ろします。その後、タオルに包んで15分蒸らすとふっくら仕上がります。
まとめ:まずは1品から始めよう

キャンプ飯は、特別な道具や高度な技術がなくても十分に楽しめます。はじめてのソロキャンプでは、荷物を軽くし、現地での手間を減らすことが何よりも大切です。まずはCB缶のバーナーとメスティンを用意し、自宅で下ごしらえをした簡単な1品から始めてみましょう。自然の中で食べる温かいご飯は、それだけで最高の贅沢になります。段取りのコツを掴んで、無理のないペースでキャンプの食事を楽しんでください。
段取りさえ決まっていれば、自然の中でも温かいご飯が一緒に食べられるね…
ダオン|CampDAOで生まれた公式キャラクター。この講座の案内役。
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